税務調査よくある質問

○税務調査を拒否することはできるのでしょうか?

国税通則法には、検査等の実施を拒み、妨げ、もしくは忌避等した者については、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する旨の規定(質問検査権の受忍義務違反の罰則)があります。したがいまして一般的な調査は任意調査と呼ばれますが、安易に拒否できるものではないと思われます。

○相続税の調査で調査担当者が自宅に来ると言っていますが、よくあることなのでしょうか?

調査場所の選定は、調査の目的などにより税務職員の合理的な選択に委ねられていると思われます。相続税の調査範囲は、被相続人の土地等に及びますので、自宅で行われることも珍しくありません。なお、相続税の調査を自宅以外で行うことについて、合理的な説明ができるのであれば、調査場所の変更が認められる可能性もございます。しかし、相続税の調査では自宅で行われることはごく一般的だと思われます。

○正当な理由がないのに帳簿書類等の提示・提出の求めに応じなければ罰則が科されるということですが、それは事実上、強制的に提示・提出が求められることにならないでしょうか?

帳簿書類等の提示・提出に対し、正当な理由がないにもかかわらずその提示・提出を拒んだり、虚偽の記載をした帳簿書類等を提示・提出したりした場合には、罰則が科されることがあります。この場合の罰則とは、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金を言います。

しかし税務当局は、罰則があることをもって強制的に権限を行使することを考えておらず、帳簿書類等の提示・提出をお願いする際には、提示・提出が必要とされる趣旨を説明し、納税者の方の理解と協力の下進めていくこととされています。

○法人税の調査で、代表者の個人通帳の提示・提出を求められましたが、断ることができますか?

法令上、調査担当者は調査について必要がある時は、帳簿書類等の提示・提出を求め、これを検査することができます。

この場合に、上記代表者の個人預金について事業関連性が疑われる場合にはその通帳の提示・提出を求めることは、法令上認められた質問検査権等の範囲に含まれると考えられます。調査を円滑に進め、調査官にあらぬ疑いを抱かせるくらいなら、求められれば協力的に提示する方が望ましいでしょう。

○調査結果の内容説明を受けた後で、調査担当者から修正申告を行うよう勧奨されましたが、勧奨に応じない場合には何か不利な取り扱いを受けるのでしょうか?

当初した申告に誤りがある場合には、納税者が自ら是正することが今後の適正申告に資することになり、申告納税制度の視点から鑑みても望ましいと思われます。

修正申告に応じるか否かは、納税者の任意の判断となります。したがって、修正申告をしない場合には、調査結果に基づき更正等の処分を受けることになりますが、修正申告をしないことについて不利な取り扱いを受けることは基本的にはありません。

○修正申告をした場合には、本税の他にどのくらいのペナルティー(附帯税)が課されますか?

「延滞税・加算税等の計算方法」をご参照下さい。

○過去の実地調査で是認されている申告内容が、再び調査対象となることはありますか?

一定の税目・課税期間について実地調査が終了し、更正決定等をすべきと認められない旨の書面を受け取った場合には、原則として当該税目・課税期間について再調査が行われることはありません。

しかし、取引先の税務調査で当初把握されていなかった非違事項が明らかになった場合(新たに得られた情報に照らし非違があると認められるとき)には、過去に調査対象となった税目・課税期間でも再調査が行われることがあります。

○税務署の担当者から電話で申告書の内容に問題がないか確認して、必要ならば修正申告書を提出するよう連絡を受けましたが、これは調査なのでしょうか?

調査は、特定の納税者の方の税額等を認定する目的で、質問検査権等により申告内容を確認するものです。しかし、税務当局では税務調査の他に行政指導の一環として上記のような連絡をされる場合があります。

行政指導とは、提出された申告書に計算誤り、転記誤り、記載漏れ及び法令の適用誤り等があると思われる場合に、納税者の方に対して自発的な見直しを要請したうえで必要に応じて修正申告書の自発的な提出を要請するものです。