税務調査の概要

Q　そもそも税務調査とは何ですか？

⑴　税務調査とは

　税務調査とは、納税者によって計算された課税標準や税額などが、適法に算出されたものか否かを調査するものです。具体的には、その課税標準や税額などを計算した担当者に確認をしたり、帳簿書類等の証憑類を検査したりすることにより行われます。

⑵　税務調査の目的

　税務調査の目的は下記の4種類と思われますが、主たる目的は①となります。

　①　納税者の課税資料の収集

　②　租税徴収のための資料収集

　③　犯則事件の証拠資料の収集

　④　租税条約相手国からの要請

⑶　税務調査の種類

　税務調査は、主に税務署内での準備調査を経て、実地調査を行い、必要がある場合に反面調査・預金等調査を実施します。また、無予告による現況調査も実施されております。

　・準備調査

　　　税務署内でおおむね実地調査1カ月前に行われる資料照合による調査対象の選別等の調査

　・実地調査

　　　調査官が納税者の所在地へ臨場して行う調査

　・反面調査（補完調査）

　　　取引先等へ確認しなければ適正な課税がおこなえない場合に実施する取引先に対する調査

　・預金等調査（補完調査）

　　　金融機関との取引内容を確認する必要がある場合に実施する金融機関への調査

　・現況調査

　　　現金収入業種等に対し事業の実態を把握するために無予告で行われる調査

⑷　税務証拠資料の調査方法

　税務調査官は、証憑書類に基づいて帳簿が記録されているか、その帳簿により決算書が正しく作成されているか等を確認し、そしてその決算書から適正な申告が行われているか否かを検討します。その具体的な確認方法のうち主な調査方法は下記のとおりです。

　　・質問　

　　　　不明な事項や疑義のある事項を納税者に口頭にて説明や回答を求めること

　　・突合（証憑突合・帳簿突合・計算突合）

　　　　納税者が作成した帳簿や保存している証憑書類と課税庁が入手している資料と突き合わせて内容の確認をすること

　　・実査（現金実査、棚卸資産実査、固定資産実査等）

　　　　資産の実在性について、その物を検査し数量等の確認をすること

　　・通査

　　　　各種帳簿、仕訳伝票、証憑書類などを異常項目の有無を発見するために全般的に通覧すること

　　・視察

　　　　工場・支店・店舗等に直接出張し、現地を巡回すること

Point

　　税務調査が実施されても慌てることのないように普段から適正な税務処理の実施を心がけましょう。