贈与税調査・譲渡所得税調査

○贈与税の調査とはどの様なものですか?

不動産に対して調査が行われることが多いです。一般的には、高額な資産を購入された方に対し、その購入価額、購入資金の出所、借入金の有無、親族からの援助資金の有無等を確認して行われます。所得(収入)と比較して高額な資産の購入をされた場合には、何等かの贈与が行われた場合が高いと思われますので、その内容を明らかにするために調査が行われます。

○親族からお金を借りる時、親は「ある時払い」でよいと言っていますが、何か気をつけることはありますか?

親からの借入れが、贈与とみなされる場合があります。仮に贈与とみなされると贈与税を納める必要があります。

親からお金を借りる場合には、原則として贈与税はかかりません。しかし親からお金をもらう場合には、贈与税がかかります。親からお金を借りた場合であっても親子間であるがゆえに、貸し借りの内容や返済義務が曖昧になることがあります。このような場合には、「貸した・借りた」の関係ではなく「あげた・受け取った」の関係であるとみなされてしまい、贈与税の対象となってしまいます。

贈与とみなされないために次のことに注意しましょう。

  1. 借用書や金銭消費貸借契約書を作成する
    親子間であっても契約書を作りましょう。契約書には、金額、返済期間、金利、返済方法を記載しましょう。印紙の貼付も忘れないでください。
  2. 金利をつける
    お金を借りる場合には金利を支払うのが原則です。その金利も世間相場に応じたものである必要があります。最低でも1%程度の金利を設定しましょう。
  3. 返済期間を検討する
    親の年齢を考えて返済期間を決定しましょう。80歳の父親と35年返済の契約をすると、完済時の父の年齢が115歳となってしまい、常識的な貸し借りであるとみなされない可能性があります。
  4. 契約書通りに返済する
    返済する意思があっても実際に返済していなければ、貰ったものとして扱われても文句は言えません。また現金で直接返済するよりは、金融機関を通じて返済する方が履歴を確認することができるので金融機関を利用して返済することが望ましいです。

下記は一般社団法人日本相続学会「円満かつ円滑な相続」に掲載された文章です。 ご参考ください。

譲渡所得税調査

○譲渡所得税の調査には、どの様なものがあるのでしょうか?

譲渡所得税の調査は、主に土地、建物、金地金、ゴルフ会員権、株式を対象として行われます。一般的には、親族間取引により売買対象物の売買価額の適正性の確認が行われます。したがいまして、譲渡契約書、売主と買主の関係、実際の資金移動、売買対象物の現状等について質問されることが多いです。