税務調査が実施される前に確認しておくこと

〇税務調査が実施される前に確認しておくことは何でしょうか。

 複数の税目にわたる調査がおこなわれる可能性がありますので、事前に必要資料を用意し、その内容を把握しておきましょう。

⑴ 同時調査への準備

 所得税・法人税調査の場合には、消費税・源泉所得税・印紙税に係る調査も実施されるのが一般的であるため、これらの税目に関する資料も用意しておく必要があります。なお用意する資料は、原則として3期分の帳簿書類・証憑書類・内部規程等であり、期別に整理されるとよいと思います。また現在使用中の資料については、その保管場所を予め確認しておきましょう。

⑵ 確認事項

 円滑に税務調査を進めるために、用意した各資料について主に下記事項の確認等をされることが望ましいと思われます。

  • 総勘定元帳が保存されているか。
  • 各勘定の合計金額と決算書の金額が一致しているか。
  • その年度のみに生じた特有の事象(特別利益や特別損失など)について内容を把握しているか。
  • 決算月及びその翌月に異常値があった場合、その内容を説明することができるか。
  • 本日の現金有り高と帳簿残高は一致しているか。
  • 税務上の特例の適用がある場合、その関係資料は保存されているか。
  • 請求書や領収書で不足しているものはないか。
  • 消費税の仕入税額控除の要件である「帳簿及び請求書等」の記載要件を満たしているか。
  • 契約書等は保存されているか。
  • 契約書等で課税文書に該当するものに印紙は貼付されているか。
  • 親族との取引に関する資料(請求書、領収書、契約書等)は作成・保存されているか。 
  • 就業規則、給与規程、退職金規程等の内部規程は整備されているか。
  • 議事録、稟議書は整備されているか。
  • 会社概要に関する資料を用意したか。
  • 取引先等の名刺は整理されているか。
  • 机の引出しやロッカーは整理されているか。