消費税還付とは?(名古屋市宝飾店消費税不正還付ニュース)

ニュースの内容

「消費税不正還付の疑い」

輸出免税制度を悪用して消費税還付を受けようとしたとして消費税法違反などの疑いがある。国内で商品を仕入れ海外に輸出したように装い、消費税等の還付を受けようしたとされる。

(中日新聞2016年2月10日付33面より一部抜粋・要約)

「消費税不正還付で逮捕」

海外に商品を輸出したように装い、消費税の不正還付を受けようとした疑いがある。実際には全ての取引が架空だったという。

(日本経済新聞2016年2月10日付39面より一部抜粋・要約)

 

消費税法違反とは?(一部消費税還付を受け、さらに消費税還付申告をしたケース)

消費税法には、不正に消費税の還付を受けた者に対して罰則規定(10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金)が設けられております(消費税法第64条第1項第2号)。

また、上記に加え平成23年度税制改正において消費税不正還付未遂罪(10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金)が創設されました(消費税法第64条第2項)。

これにより、不正に消費税還付を受けた者だけでなく、受けようとした者に対しても同様の罰則が適用されます。

 

消費税還付とは?

消費税は、「売上に係る消費税等」から「仕入に係る消費税等」を差し引いて納付すべき消費税を算出します。したがって「売上に係る消費税等」よりも「仕入に係る消費税等」が多ければ、その差額を還付することができます。ここでは消費税還付の例をいくつかご説明させていただきます。

なお、消費税の還付を受けるためには、原則として課税事業者である必要があります。いわゆる免税事業者や簡易課税制度の適用を受けている事業者は消費税の還付を受けることができません。

 

消費税還付例① 諸経費が多額であるケース

売上に比べ給料や租税公課等を除く諸経費(いわゆる課税仕入れ)が多い場合、支払った消費税等が多くなるため消費税還付を受ける可能性が高くなります。

 

消費税還付例② 不動産等を購入したケース

課税仕入れとなる高額の不動産等を建築・購入することで、支払った消費税等が多くなり消費税還付を受ける可能性が高くなります。

 

消費税還付例③ 主な取引が輸出販売であるケース(上記ニュースの事例)

消費税は、国内における商品の販売やサービスの提供などに課税されます。したがって課税事業者が輸出取引や国際輸送などの輸出に類似する取引として行う課税資産の譲渡等については、消費税が免除されます。これは、消費税は外国で消費されるものには課税しないという考えに基づきます。ゆえに、主な取引が輸出販売である場合には、支払った消費税が多くなり、消費税還付を受ける可能性が高くなります。

 

消費税還付を適正に受けるにあたり注意すべきこと

適法に消費税申告を行い、還付請求することは違法ではありません。ここでは、消費税還付に際し注意すべき事項についてご説明させていただきます。

 

消費税還付例① 諸経費が多額であるケース

いわゆる仕入税額控除を行う場合には、帳簿の記載と請求書等の保存が要件となっております。つまり、その取引について帳簿に一定の記載と請求書等の保存がない場合には、仕入税額控除が認められず、売上に係る消費税等の全額を納める必要があります。

ここでいう一定の記載とは、例えば資産の譲渡等の相手方の氏名、譲渡等を行った年月日、対価の額等をいい、請求書等とは、請求書・領収書・納品書等を言います。なお、これらの帳簿・請求書等については、原則として7年間保存する義務がございます。

 

消費税還付例② 不動産等を購入したケース

消費税の還付を受けようとする場合には、不動産の購入・建築・売買・賃貸借に係る消費税の取扱いを慎重に確認する必要があります。具体的には、課税事業者か否か、課税売上割合、課税期間、調整対象固定資産の取得の有無等を検討する必要があります。また近年の税制改正の動向も踏まえ、単年ではなく複数年にわたり事業者の消費税等を検討する必要があります。

 

消費税還付例③ 主な取引が輸出販売であるケース

輸出免税の適用を受けるためには、その取引が輸出取引となることについての一定の証明が必要となります。例えば、輸出許可を受ける場合には輸出許可書、サービス等の場合には契約書等が必要となります。また、これらの文書を7年間保存する必要があります。

 

還付申告を行う場合には、事前確認・準備をしっかりと行いましょう

消費税は税率の引き上げが予定されており、益々その影響が大きくなります。また消費税還付に対する税務調査も盛んに行われております(重点的に税務調査が実施されている法人とは?)。

消費税還付は上記で説明させて頂いたように、誤った内容で還付請求をすること自体で罰則の対象となってしまう可能性があります。後で慌てることのないよう事前からしっかりとした準備・確認をされることをお勧め致します。(詳しくは、「ネット輸出の消費税還付申告サービス」をご覧ください)。