平成28年度税制改正大綱 ~加算税制度・加算金制度の見直し~

平成27年12月24日に閣議決定された平成28年度税制改正大綱において、加算税制度・加算金制度について言及されております。

内容は下記の通りです。

 

税務調査における事前通知を受けて修正申告を行う場合の加算税の見直し (加算税制度の見直し)

調査を行う旨、調査対象税目及び調査対象期間の通知以後、かつ、その調査があることにより更正又は決定があるべきことを予知(更正予知といいます。)する前にされた修正申告に基づく過少申告加算税の割合(現行:0%)については5%(期限後申告税額と50万円のいずれか多い額を超える部分は10%)とし、期限後申告又は修正申告に基づく無申告加算税の割合(現行:5%)については10%(納付すべき税額が50万円を超える部分は15%)とします。

申告の種類現行改正案
修正申告に基づく過少申告加算税0%5%(10%)
期限後申告又は修正申告に基づく無申告加算税5%10%(15%)

国税通則法の改正により事前通知が義務付けられましたが、これに伴い加算税を回避するために修正申告書の提出や期限後申告書の提出が増加したと想定されます。これを受けて、上記のように加算税の見直しが図られたものと思われます。

 

短期間に繰り返して無申告又は仮装・隠蔽が行われた場合の加算税の加重措置(無申告加算税・重加算税を10%加算)の導入 (加算税制度の見直し)

期限後申告若しくは修正申告(更正予知によるものに限る。)又は更正若しくは決定等(期限後申告等といいます。)があった場合において、その期限後申告等があった日の前日から起算して5年前の日までの間に、その期限後申告等に係る税目について無申告加算税(更正予知によるものに限る。)又は重加算税を課されたことがあるときは、その期限後申告等に基づき課する無申告加算税の割合(15%、20%)又は重加算税の割合(35%、40%)について、それぞれの割合に10%加算する措置を講じます。

申告の状況加算税の種類現行改正案
無申告無申告加算税15%(20%)25%(30%)
仮装・隠蔽重加算税(過少・不納付)35%45%
重加算税(無申告)40%50%

悪質な脱税を防止するために、加算税増税が図られたものと思われます。

なお、上記改正は、平成29年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税について適用されます。

 

加算金制度の見直し

期限後申告若しくは修正申告(更正又は決定があるべきことを予知(更正予知といいます。)してされたものでないもの等を除く。)又は更正若しくは決定(以下期限後申告等といいます。)があった場合において、その期限後申告等があった日の前日から起算して5年前の日までの間に、その期限後申告等に係る税目について不申告加算金(更正予知によらないもの等を除く。)又は重加算金を課されたことがあるときは、その期限後申告等に基づき課する不申告加算金の割合(15%、20%)又は重加算金の割合(35%、40%)について、それぞれの割合に10%加算する措置を講ずる。

申告の状況加算金の種類現行改正案
不申告不申告加算金15%(20%)25%(30%)
仮装・隠蔽重加算金(過少・不納付)35%45%
重加算金(不申告)40%50%

国税における見直しと同様に、短期間に繰り返して不申告又は仮装・隠蔽に基づく修正申告の提出等を行った場合、加算金の割合に10%加算する措置も導入されることになったと思われます。

なお、上記改正は、平成29年1月1日以後に申告書の提出期限が到来する地方税について適用されます。

 

適正な申告納税制度を実現するために、今後ますます税務調査における加算税・加算金の強化が図られていくものと思われます。事後に多大な納税負担を負うことのないよう普段から適正な納税手続きを行うように心掛けましょう。